大人の発達障害とは?それ自己愛性人格障害かも

大人の発達障害とは、大人になってから発達障害だと診断されることです。
日本では、発達障害は、平成後期あたりから一般に広く認識されるようになりました。
そのため、子供期に見過ごされてきたグレーゾーンの発達障害の人が、大人になってから発達障害だと診断されているのです。
しかし、大人の発達障害は、自己愛性人格障害NPD自己愛性パーソナリティ障害)という別の病気である可能性があります。

ここ最近、発達障害(ASD・ADHD)やHSPを告白する有名人が増えています。
また、一般人もSNSなどで、「自分も発達障害かも」、「自分もHSPかも」とアピールする人が目立つようになりました。
なぜ、自称ADHD、自称ASD、自称HSPが増えているのでしょうか?
きっかけは、メディアが「大人の発達障害」について報じるようになったことでしょう。
また、発達障害のイメージが、昔と大きく変わったことも関係しています。
一昔前は、発達障害は問題児のようなネガティブなイメージを持たれていたのが、生まれ持った個性と認識されるようになりました。
発達障害は、生まれつきの脳の障害であり、行動面や情緒面に特徴的な症状が見られるものです。また、HSPは感受性が特別高い性質のことです。

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発達障害やHSPを自称する人は増えています。
しかし、そのような人たちは、必ずしも病院で正式な診断を受けている訳ではありません。
サイトでの無料診断やチェックリスト、怪しいクリニックでの診断を根拠としているケースが多いのです。

自称発達障害や自称HSPの特徴は、「自分に配慮してほしい」という主張が目立つことです。
生まれつきの特性を理解してほしい、周りの人が配慮してほしいと要求し、理解や配慮をしない人を悪者に位置付けて被害者ぶります。
また、自称発達障害・自称HSPは、ルールや我慢が嫌いな我儘な人や、人の気持ちを考えられない身勝手な人、褒めだけを求めて批判されたくない甘い人が多いです。
これは、発達障害やHSPではなく、自己愛性人格障害(NPD)によく見られる性格なのです。
自己愛性人格障害は、自己中心性や共感力欠如、承認欲求を特徴とする病気です。
つまり、自称発達障害や自称HSPの人は、本当は自己愛性人格障害だと考えられます。
先天性の発達障害やHSPと異なり、自己愛性人格障害は甘やかされて育つことで発症する我儘病です。

【目次・自称発達障害や自称HSPに多いタイプ】

それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。

ルールや我慢が嫌いな我儘な人

ルール嫌いで我儘な自己愛性人格障害者は、ADHD(注意欠如・多動症)を自称することがあります。
子供の頃からルールに従うことを嫌い、自分勝手な行動をとったり、不平不満ばかり言ったりするのが特徴です。
学校では、ヤンキーやガキ大将といった問題児として先生から目をつけられ、大人になっても傍若無人な行動が直りません。
例えば、遅刻が多い、約束を守らない、些細なことでキレる、いじめをする、パワハラをする、理不尽なクレームをつける、マスクをつけるのを嫌がるといった行動パターンがあげられます。

自称ADHDは、「自分はADHDだから配慮して」と言って、自分の我儘さを正当化しようとします。
生まれつきの特性だから仕方がない、自分がトラブルを起こしても目をつぶってほしいと、開き直っているのです。
トラブルを起こさない努力を放棄し、人として成長しようという気持ちがありません。
本当のADHDは、自称ADHDと異なり、できるだけトラブルを起こさないよう工夫する努力をしています。

自己愛性人格障害の症状に、自己中心性の高さがあります。
溺愛あるいは放任主義の家庭環境で適切な躾をされなかった結果、ルールを守ることや我慢することが身につかないまま大人になるのが原因です。
自己中心性が高いと、自分だけ良かったらいいと考え、平気で人に迷惑をかけるようになります。
人に迷惑をかけることに罪悪感を覚えないため、自己愛性人格障害は治らない病気です。

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人の気持ちを考えない身勝手な人

人の気持ちを考えられない自己愛性人格障害者は、ASD(自閉スペクトラム症)を自称することがあります。
子供の頃から人の気持ちを考えられず、自分の考えを人に押しつけたり、思ったことをそのまま言ったりするのが特徴です。
学校では、協調性のなさから友達が作れず、大人になっても気遣いができず人望がありません。
例えば、空気が読めない、思いやりがない、デリカシーがない、自分のことばかり話す、モラハラをするといった行動パターンがあげられます。

自称ASDは、「自分はASDだから配慮して」と言って、自分の思いやりのなさを正当化しようとします。
生まれつきの特性だから仕方がない、自分が人を傷つけても許してほしいと、開き直っているのです。
人を思いやる努力を放棄し、人として成長しようという気持ちがありません。
本当のASDは、自称ASDと異なり、想像が苦手でも、頭脳を生かして相手の気持ちを理解しようとします。

自己愛性人格障害の症状に、共感力欠如があります。
溺愛あるいは放任主義の家庭環境で適切な躾をされなかった結果、相手を思いやることを覚えないまま大人になるのが原因です。
共感力が欠如すると、人の気持ちや立場を想像できず、モラハラや人格否定をするようになります。
人を傷つけることに罪悪感を覚えないため、自己愛性人格障害は治らない病気です。

関連記事:「アスペルガー症候群(ASD)とは?自己愛性人格障害との違い」

褒めだけを求め、批判されたくない甘い人

褒めだけを求める自己愛性人格障害者は、HSPを自称することがあります。
子供の頃から叱られるのが嫌いで、良い子ぶりっ子したり、目立ちたがり屋であったりするのが特徴です。
例えば、人から注意されると逆ギレする、自分の行動を反省しない、自分を叱る人や褒めない人を嫌う、SNSでチヤホヤされるのが好きといった行動パターンがあげられます。

自称HSPは、「自分はHSPだから配慮して」と言って、自分の打たれ弱さを正当化しようとします。
生まれつきの特性だから仕方がない、自分に批判や厳しいことを言わないでほしいと、開き直っているのです。
批判に向き合う努力を放棄し、人として成長しようという気持ちがありません。
本当のHSPは、自称HSPと異なり、人の意見にきちんと耳を傾ける謙虚な性格をしています。

自己愛性人格障害の症状に、承認欲求の強さがあります。
溺愛あるいは放任主義の家庭環境で適切な躾をされなかった結果、褒めしか知らず、叱られることを知らないまま大人になるのが原因です。
承認欲求が高いと、褒めや賞賛だけを求め、注意や批判をシャットアウトするようになります。
注意されて逆ギレすることは幼稚なことだ、という自覚がないため、自己愛性人格障害は治らない病気です。

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まとめ

自称発達障害・自称HSPと自己愛性人格障害の関係について解説しました。
自称発達障害・自称HSPは、自己愛性人格障害の可能性が高いです。
自己愛性人格障害は、我儘でずる賢く、平気で人に迷惑をかける人間性を持ちます。
悪質な性質を持つ自己愛性人格障害者が、発達障害やHSPを自称することで、発達障害・HSPへの偏見を生んでしまうことが懸念されます。

あなたの周りに、自称発達障害・自称HSPの人はいませんか?
自己中心性、共感力欠如、承認欲求が、発達障害と自己愛性人格障害を見分けるポイントです。
発達障害の正式な診断書がない人に、特別な配慮をする必要はありません。
むしろ、配慮して甘やかすと、自己愛性人格障害は助長し、要求がどんどん増えてしまいます。
自称発達障害・自称HSPに騙されないようにしましょう!