毒親の3タイプ 承認欲求・支配欲・損得勘定

最近、自分の親は毒親ではないか、と疑う人が増えているそうです。
若者の間で、「親ガチャ」という言葉が流行っているのも、その一端でしょう。
しかし、一方で、自分の親が毒親だというのは、自分が悪いのに親のせいにする我儘ではないか、と考える人もいます。
毒親と普通の親は、どのように見分ければいいのでしょうか?

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毒親は、自己愛性人格障害(NPD)という病気です。
そのため、自己愛性人格障害の典型的な特徴があるか否かで、毒親かどうか判断することができます。
自己愛性人格障害の本質は、自己中心性、特別意識、共感力欠如です。
それが表面化した具体的な特徴として、承認欲求、支配欲、損得勘定が見られます。
つまり、毒親には大きく分けて、承認欲求タイプ、支配欲タイプ、損得勘定タイプがあるのです。
一つの特徴が強く見られるパターンも、複数の特徴が見られるパターンもあります。

【目次・毒親のタイプ】

いずれのタイプも、自己中心的で、特別意識を持ち、共感力が欠如していることは同じです。
それぞれのタイプについて、解説していきたいと思います。

承認欲求タイプ

自己愛性人格障害は、承認欲求が強いのが特徴です。
自己愛性人格障害者が親になると、自分の承認欲求のために子供を利用する毒親となります。
典型的なケースは、自分の子供を一流大学に入れたい、医者や弁護士といった自慢できる職業に就かせたいというものです。
一見、教育熱心な親に見えますが、「子供のため」を装った承認欲求親です。
子供を立派に育てたと、親としての自分を自慢したり、マウントをとったりしたいだけなのです。
承認欲求親は、周りに自慢できるような、容姿の良い子、学歴の良い子、特別なセンスのある子を欲しがるのです。
いずれも、子供の意志を無視して、親の期待や望みを一方的に押し付けているだけであり、子供を精神的に追い詰めることにつながります。

最近では、SNSに小さな子供と一緒に撮った写真をアップする親もよく見られるようになりました。
これも、「いいね」や褒めコメントで、承認欲求を満たすための行動です。
子供を虐待死やネグレクト死させた親が、子供とのキラキラツーショットをSNSにアップしていることを不思議に思った人もいるのではないでしょうか?
子供に愛情を持てない毒親だからこそ、子供を道具のように利用し、あっさり死なせてしまうのです。
このように、承認欲求タイプの毒親は、子供を自慢のネタとして利用するマウント屋なのです。

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支配欲タイプ

自己愛性人格障害は、支配欲が強いのが特徴です。
自己愛性人格障害者が親になると、子供を子分や手下のように扱う毒親となります。
親というよりも、自分の思い通りにならないと癇癪を起こす暴君、独裁者のようです。
子供は、癇癪を起こした親から暴力暴言を受ける恐怖、キレた親から何されるか分からないという恐怖で萎縮し、できるだけ親を刺激しないよう気を遣うようになります。

毒親の支配欲は、子供を自分の方針や要求に従わせることで満足します。
子供に優秀さを求める毒親は、学業やスポーツなどの成績を管理し、目標や進路を押し付け、成績が揮わないと暴力や暴言などの罰を与える「教育虐待」を行います。
子供の中学受験に熱狂するあまり、父親が小学生の息子を刺殺するという事件も起こっています。
また、生活力が低い毒親だと、子供の学業を軽視し、子供にバイトをさせて給料を搾取することもあります。
依存性が高い毒親だと、子供が独り立ちできないよう、生活力や自分の意志を持たせないように育て、共依存の関係を築こうとします。

このように、支配欲タイプの毒親は、恐怖心や罪悪感で子供を支配する家庭内独裁者なのです。

損得勘定タイプ

自己愛性人格障害は、打算的で損得勘定で行動するのが特徴です。
自己愛性人格障害者が親になると、自分の損得のために子供を利用する毒親となります。
子供に対する愛情や思いやりはなく、自身の損得や計算しか考えません。
また、子供に対して、親の損得を一番に考えて行動するよう求めます。

子供を介護要員として利用しようとするのも、打算的な毒親の特徴です。
「自分はお前を育てたんだから、お前は自分を介護する義務がある」と罪悪感を持たせて、断らせないようにします。
都会で仕事をしている子供に対して、退職して地元で自分の介護するよう要求するケースも多いです。
「地元で再就職すればいい」と、安易に誘いますが、仕事の少ない地方だと、上手く再就職できない可能性があります。
再就職に失敗し、毒親の年金に依存せざるを得なくなると、ますます毒親から逃げられなくなります。
親が亡くなると、子供の収入は断たれ困窮することになりますが、毒親は自分さえよければいいのです。

このように、損得勘定タイプの毒親は、子供の生活や心情よりも、自分の損得を優先するのです。

まとめ

毒親の3つタイプについて解説しました。
承認欲求、支配欲、損得勘定は、自己愛性人格特有の症状です。
これらの特徴が見られたら、自己愛性人格障害の毒親だと見て間違いありません。
毒親は、自分が正しいという姿勢が強いですが、おかしいのは毒親の方だと自信を持ちましょう。

あなたの周りに、このようなタイプの親はいませんか?
承認欲求タイプ、支配欲タイプ、損得勘定タイプのいずれも、自分のことしか考えていない毒親です。
「子供のことを思って」というのは、世間体のためのカモフラージュです。
自分のことばかり考える毒親はダメな親だ、という認識がもっと広がることを願います。