ブラック経営者は自己愛性人格障害 6つの特徴

ブラック経営者とは、自分の利益ばかり考え、労働法や安全性を軽視する経営者のことです。
社員に対してパワハラやモラハラをすることが多いです。
顧客とのトラブルに対して、無責任な対応をするケースも見られます。
社長がブラック気質だと、会社は必ずブラック企業となります。`
ブラック社長の特徴は、自己中心性、特別意識、共感力欠如、承認欲求、支配欲、損得勘定です。
これらの特徴は、自己愛性人格障害(NPD)という病気によく見られる症状です。

ブラック企業は、社員の過労死だけでなく、重大な人災を引き起こすこともあります。
例えば、スキーバスや高速バス、観光船の運行のような安全性が求められる事業において、経験が浅すぎる社員に難易度の高い運転・運行をさせた結果、重大な事故を起こした事例があります。
また、違法な盛り土によって大規模な土砂崩れが発生した事例もあります。
いずれの業者も、過去に行政指導や行政処分を受けていたものの、改善されることなく事故を起こすという結果となりました。
国の規制緩和によって、安全性が問われる業界に安易に参入する素人業者が増えていることも原因でしょう。

関連記事
「パワハラとは?自己愛性人格障害の特徴」
「体育会系とは?自己愛性人格障害の特徴」

ブラック社長は、儲け第一であり、法令遵守や安全性に無関心で、杜撰な管理体制を敷きます。
危機管理の意識が低く、社員に素人考えの無謀な指示をするケースも見られます。
人的コストを抑えるために、少人数の社員に多くの仕事をさせるブラックな労働環境を作り上げることが多いです。
特に、手腕の低いブラック経営者は、安さ勝負のビジネスに参入し、社員は低い待遇で働かされることになります。
また、他の会社がしないようなグレーな仕事を引き受けたり、グレーな方法で事業運営したりすることもあります。
会社を自分の所有物のように考え、後継者を育成できず、後継者候補をコロコロ変えるという特徴もあります。

なぜ、まともな会社運営ができない人が、経営者となるのでしょうか?
ブラック経営者は、自己愛性人格障害(NPD)という病気の可能性が高いです。
自己愛性人格障害の主な症状は、自己中心性、特別意識、共感力欠如、承認欲求、支配欲、損得勘定です。
これらの特徴は、ブラック経営者によく見られるものなのです。

【目次・ブラック経営者の特徴】

ブラック社長は、性格気質の問題ではなく、病気なのです。
それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。

自己中心性

自己愛性人格障害の症状に、自己中心性の強さがあります。
自己中心性とは、自分の思い通りにならないと気が済まない気質のことです。
自己中心性が強いブラック経営者は、自分の思い通りにならないと癇癪を起こします。
癇癪による暴言や暴力は、社員へのパワハラの原因となります。
自分に反対意見を述べるベテラン社員を嫌い、リストラするケースも発生しています。
ブラック経営者は、小さな暴君なのです。
社員からも同業他社からも嫌われ、見放されることが多いです。

特別意識

自己愛性人格障害の症状に、特別意識や特別願望があります。
特別意識とは、自分は特別だと思い込み、人に特別扱いを求めることです。
特別願望とは、特別な自分になりたいと望むことです。
特別意識が強いブラック経営者は、「経営者」という肩書欲しさで経営者になります。
社長である自分を自慢したい、特別扱いされたいだけなのです。
社会に貢献することや、社員に報いることには、全く興味がありません。
自分が一番偉いという考え方をするため、行政指導や組合からの指摘も意に介さず、改善されることはありません。
現場の素人なのに、現場に対して無謀な要求をするケースも見られます。

共感力欠如

自己愛性人格障害の症状に、共感力の欠如があります。
共感力とは、相手を思いやり、心情や立場を想像する能力のことです。
共感力が欠如したブラック経営者は、社員の気持ちにも顧客の気持ちにも無関心です。
社員にパワハラしても、顧客にトラブルで迷惑をかけても、罪悪感を持つことはありません。
社員のリストラにも、過労死にも、丸投げOJTにも抵抗がありません。
人間らしい情緒を持たないことで、結果的に会社がブラック化するのです。
とにかく利益が出ていればよく、数字だけを見る経営を行います。
労働環境や顧客満足の概念をそもそも理解できていないのです。
社員教育によるレベルアップや顧客のニーズを捉えることが苦手のため、コストカットで利益を出そうとすることが多いです。

承認欲求

自己愛性人格障害の症状に、過剰な承認欲求があります。
承認欲求とは、褒めや賞賛を求める欲求のことです。
承認欲求が過剰だと、褒めだけを求め、批判や指摘を拒絶するようになります。
そのため、承認欲求が強いブラック経営者は、自分をチヤホヤと持ち上げるイエスマンを囲い、反対意見を述べる社員は冷遇し排除します。

また、承認欲求が強いブラック経営者は、会社の知名度よりも、自身の知名度を重視します。
自分が主人公で、前に出て注目されたい目立ちたがり屋なのです。
SNSや動画で目立つことも好きで、強気に自論を展開したり、私生活を自慢したりします。
プロフィール写真は、自信満々に腕を組んで、ふんぞり返っているものが多いです。
本業の経営だけでなく、経営セミナーやコメンテーターといった個人仕事に手を出す傾向があります。
また、自分の成功談を自慢するビジネス書や啓蒙書を出版することもあります。
会社の広告や自著の表紙に自分の写真を使用する自信家です。

支配欲

自己愛性人格障害の症状に、強い支配欲があります。
支配欲が強いブラック経営者は、社員を都合のいいようコントロールしようとします。
高圧的なパワハラを行い、社員が自分に逆らえないようにします。
どうしても自分に従わない社員は、リストラして排除します。
逆に、戦力の社員には逃げられないよう、常に過労状態に置き、転職する精神的余裕を持てないようにします。
面倒な仕事やトラブル対応は全て人任せにし、自分はおいしい役割だけを担います。
業績の良いブラック企業は、経営者ではなく、優秀な社員のお陰であることが多いです。
また、仕事とは関係のない私用を社員にさせる職権乱用も見られます。
このように、ブラック経営者は、自分にとって都合のいい会社を作り上げようとするのです。

損得勘定

自己愛性人格障害の症状に、損得勘定でものを考えるという症状があります。
損得勘定でビジネスをするブラック経営者は、損と得だけを見て経営を行います。
社員の給与やボーナスは出し渋り、自分への役員報酬はたくさん出します。
安全性を軽視し、事業に必要な設備のメンテナンス費もケチる傾向にあります。
その一方、助成金の獲得や節税対策には余念がありません。
実力が低い企業が、国からの助成金を獲得するのは、これが原因です。
また、高級外車を経費で落とす、繁華街での夜遊びを交際費や福利厚生費として落とす、遊び目的の出張を繰り返すなどが典型的な節税の手法です。

まとめ

ブラック経営者の特徴について解説しました。
ブラック経営者は、自己愛性人格障害という病気であることが多いです。
社員にも顧客にも興味はなく、自分にしか興味がありません。
自己中心的で、特別意識の塊、共感力が欠如した問題のある人物です。
ブラック経営者の中には、社会的に成功する人物もいますが、騙されてはいけません。
成功談を語るブラック経営者の影には、劣悪な労働環境で働かされている社員がいるのです。

あなたの勤める会社は、ブラック企業ではありませんか?
ブラック企業に勤めていても搾取されるだけで、人生で損するだけです。
ブラック企業の経験しかないと、「他の会社も似たようなものだろう」、「転職してもたいして変わらないだろう」と考えがちになります。
しかし、そんなことはありません。
まっとうな経営の同業他社は、必ずあります。
今は、どこも人手不足なので、スキルやキャリアがあれば、少々休養期間があっても再就職できます。
ブラック企業に騙されず、転職について前向きに考えた方がいいでしょう。
もし、ブラック企業とトラブルになったら、NPOや弁護士に相談することができます。