非言語性学習障害(NVLD)とは?アスペルガー(ASD)との違い

非言語性学習障害(NVLD)とは、発達障害の一種で、文章の理解力や算数能力の学習障害と、人の気持ちを読みとる能力の障害が見られます。
学習障害がないという点で、アスペルガー症候群(ASD:自閉スペクトラム症)と違いがあります。

人の気持ちを読みとる能力のことを、「共感力」といいます。
「人の気持ちが分からない」、「空気が読めない」のは、共感力の欠如が原因です。
共感力が欠如する障害は、アスペルガー症候群や非言語性学習障害だけではありません。
自己愛性人格障害NPD自己愛性パーソナリティ障害)も、共感力欠如を特徴とする代表的な障害です。
また、自己愛性人格障害は自己中心性が高いため、我慢や努力を嫌い、勉強を放棄するケースがあります。
このタイプの自己愛性人格障害者は、非言語性学習障害だと誤診される可能性があります。
近年は、大人になってから発達障害だと診断される「大人の発達障害」が増えていると言われています。
しかし、発達障害は本当に増えているのでしょうか?
先天性(生まれつき)の発達障害の数が増えるというのは、違和感があります。
叱らない子育て、甘やかす子育てが増えた結果、自己愛性人格障害が増えているのではないでしょうか?

・非言語性学習障害(NVLD)、アスペルガー症候群(ASD)… 先天性(生まれつき)の障害
・自己愛性人格障害(NPD) … 後天性(甘やかす子育てが原因)の障害

大人の発達障害の正体は、自己愛性人格障害かもしれません。
私たちは、非言語性学習障害やアスペルガー症候群よりも、自己愛性人格障害について興味を持ち、知る必要があるでしょう。

【目次・自己愛性人格障害の特徴】

自己愛性人格障害は、発達障害と似た症状が見られます。
しかし、承認欲求や支配欲は、自己愛性人格障害特有の症状のため、見分けるポイントとなります。
それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。

甘やかす子育てが原因

自己愛性人格障害は、平たく言えば「わがまま病」です。
幼少期から周囲に甘やかされて育ち、自己中心的な人格となるのが、自己愛性人格障害の原因です。
「叱らない子育て」、「個性を伸ばす子育て」、「子供を尊重する子育て」などが流行っていますが、これらは、子供を自己愛性人格障害にするリスクがあります。

自己愛性人格障害は、自分のことしか頭になく、他者のことについて考えたり、想像したりする思考回路を持ちません。
他者の感情や価値観、好みに無関心で、自分の感情や価値観、好みを相手に押しつけるコミュニケーションをとるようになります。
自己中心性が高さから、自分の行いが悪いと反省することができないため、自己愛性人格障害はほとんど治らない障害だと言われています。

思いやりに欠け、平気で人を傷つける

自己愛性人格障害のメインの症状に、共感力の欠如があります。
共感力が欠如していると、人の気持ちが想像できず、相手を傷つけても自覚がありません。
特に、「言葉の暴力」に対して無自覚であることが目立ちます。
例えば、人を傷つけるブラックジョークを平気で言い、相手が怒ったり泣いたりしても悪びれません。
また、言葉の暴力は、ストレートなものだけではありません。
相手に正論や価値観を一方的に押しつけたり、人格否定したりするモラハラも、自己愛性人格障害のコミュニケーションでよく見られます。

承認欲求や支配欲が強い

自己愛性人格障害特有の症状に、過剰な承認欲求や支配欲があります。
承認欲求が強いタイプは、褒めだけを求め、注意や批判を受けると逆ギレしたり、極度に落ち込んだりする性格となります。
支配欲が強いタイプは、子供を支配する毒親や、職場で強権を振るうパワハラ上司となります。
また、自己中心性の高さから、自分だけ得したいという打算的な性格であることも多いです。

運動障害は見られない

アスペルガー症候群や非言語性学習障害の症状には、共感力欠如だけでなく、運動障害もあります。
そのため、これらの障害だと、日常の動作にぎこちなさがあったり、不器用であったりすることが多いです。

自己愛性人格障害には、運動障害は見られません。
運動障害が見られない場合、軽度の発達障害だと診断されることがありますが、発達障害ではなく自己愛性人格障害かもしれません。
大人の発達障害の多くは運動障害が見られず、軽度の発達障害だと診断されていますが、本当は自己愛性人格障害である可能性があります。

自己愛性人格障害の可能性を疑わず、安易に発達障害の診断をつけるべきではありません。

まとめ

自己愛性人格障害の特徴と、発達障害との違いについて解説しました。
自己愛性人格障害とアスペルガー症候群、非言語性学習障害は、共感力欠如の症状が共通しています。
しかし、承認欲求や支配欲、運動障害の有無といった明確な違いがあります。
これらの違いを利用して、障害を見分けるといいでしょう。

あなたの周りに、人の気持ちが想像できない人はいませんか?
人の気持ちが分からない障害というと、アスペルガー症候群を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、自己愛性人格障害を先に疑った方がいいでしょう。
その人は、「大人の発達障害」ではなく、「大人の自己愛性人格障害」かもしれません。