毒親との距離の置き方

世の中には、子供をコントロールしようとし子供を精神的に苦しめる親、「毒親」が存在します。
毒親は、親らしい思いやりを持たない人間性ですが、これは一生直ることはありません。
毒親は、自己愛性人格障害(NPD)という治ることのない精神病だからです。
そのため、毒親育ちが幸せになる第一歩は、毒親と距離を置くことです。
そこで、毒親と距離を置くポイントについて解説したいと思います。

関連記事
「毒親とは?自己愛性人格障害の特徴」
「毒親の3タイプ 承認欲求・支配欲・損得勘定」
「毒親は自己愛性人格障害 差別型・努力型・信者型」

【目次・毒親と距離を置くポイント】

どのポイントも、毒親のコントロールを断ち切るために必要なことです。
全てを実践した上で、毒親の要求や行動がキツイ場合は、最終手段を検討するといいでしょう。
それぞれのポイントについて、解説していきたいと思います。

行方を晦ませる必要はない

「毒親から距離を置きたい」と考えている人は、「自分の人生を大きく変えたい」という気持ちを持っていることが多いでしょう。
「行方を告げず家出をしたい」、「そうしないと自分の人生は変えられない」と考えている人もいるでしょう。
しかし、失踪のような大きな行動に出なくても、毒親と距離を置くことはできます。
むしろ、失踪のような極端な行動は、毒親を刺激する可能性があります。
毒親は、自己愛性人格障害であることが多いですが、この病気の症状にストーカー化があります。
つまり、失踪することで、毒親がストーカー化するリスクがあるのです。
毒親は、探偵を使ってでも子供の居場所を突き止め、執着するかもしれません。
また、最悪の場合、逆上した毒親に大きな危害を加えられる可能性もあります。
そのため、毒親を刺激しにくい距離の置き方をおすすめします。その方法を以降で解説します。

実家の遠くで一人暮らしする

毒親のコントロールから逃れるには、物理的に距離を取ることが一番重要です。
毒親のコントロール術は、会話と表情によって、子供に威圧感や罪悪感を与えることがベースになっています。
そのため、物理的に距離を取ると、毒親のコントロールは弱くなり、要求を拒みやすくなるのです。
新卒や、バイトを始めて自活できるようになったタイミングで、実家を離れて一人暮らしをしましょう。
新生活の場所が実家から遠いほど、効果が高いです。
実家との距離が近いと、毒親が気軽に実家に呼びつけたり、会いに来たりするリスクが高くなります。
また、新生活の場所は、できれば東京や大阪などの都市部の方がいいでしょう。
都会に住むことで、田舎的な家族の上下関係に従わないというメッセージを与えることができます。
都会は地方より働き口が多いという意味でも、メリットが大きいです。
依存性が高い毒親ほど、「一緒に住んだ方が、家賃が得だ」などと言って、一人暮らしを阻む傾向がありますが、誘いに乗らないようにしましょう。

連絡は電話ではなくメッセージで

毒親は対面でのコミュニケーションでコントロールすることが得意ですが、それができない場合は電話でコントロールしようとします。
表情によるコントロールができなくても、会話によるコントロールが可能だからです。
逆に、毒親はメッセージによるやり取りは、苦手とします。
なぜなら、人間は文面を読む際は、冷静になる傾向があるからです。
文面だと会話のように相手の感情を揺さぶることができないため、相手をコントロールするのが難しいのです。
また、毒親がメッセージを避けるもう一つの理由は、やり取りの履歴が証拠として残ってしまうからです。
毒親は子供を侮っているため、会話が録音されることはあまり警戒しませんが、メッセージには慎重になります。
電話だと理不尽な要求や子供を傷つけることを平気で言いますが、証拠が残るメッセージだと言葉選びが慎重になるため、精神衛生上の安全性が高くなるのです。
そのため、毒親との連絡は、メールやラインなどのメッセージに限定しましょう。
毒親から電話による連絡を要求されたら、「忙しいから電話を取れない。いつでも確認できるメッセージなら対応できる。」と伝えるといいでしょう。
もし、毒親から電話がかかってきたら、わざと無視しましょう。
電話に出ないと毒親も折れて、メッセージによる連絡をするようになります。
ちなみに、相手をコントロールするために、メッセージを避け会話を強制するのは、詐欺や洗脳でも使われる手口です。
毒親は、詐欺師や教祖並みに悪質な人間性なのです。

仕事が忙しいアピールをする

「仕事が忙しいから」は、毒親の要求を断る最も便利で強力な言葉です。
この言葉でほとんどの要求を断ることができるでしょう。
また、「忙しい大人だから、もうお前の思い通りにできないぞ」というメッセージを与える効果もあります。
「そんなに忙しいの?」と言われたら、「忙しくない日はないぞ!」と強気に答えることが大事です。
「今は繁忙期じゃないけど」、「明日は帰りが早いから」などと言ってしまうと、付け入る隙を与えてしまいます。
本当は忙しくなかったとしても、「常に忙しい人間だ」と毒親に思わせましょう!
一人暮らしをしていれば、実際の忙しさなど毒親には分からないのですから。
毒親が世間知らずであれば、「この仕事は年中忙しい」、「この仕事は残業が多い」と言ってしまえばいいでしょう。
毒親は何とかしてスケジュールの空を探ろうとするので、「この仕事はスケジュールが変動しやすい」と伝えることも大事です。
また、メッセージを送る時間や電話をする時間も工夫しましょう。
残業が多いという設定にリアリティを持たせるため、平日の遅い時間と休日にだけ返信すると効果的です。

友人や恋人に恵まれていることを匂わす

毒親が子供をコントロールしようとする理由は、子供は「コントロールできる存在だ」と見下しているからです。
毒親が子供を見下すポイントの一つが、頼れる味方がいないことです。
毒親のメンタリティはとても卑怯で、「頼れる味方がいない弱者ならコントロールできる」という思考をしているのです。
毒親に「子供に友人や恋人はいない。相談できる相手がいない。」と思わせると、付け上がります。
そのため、実際は友人も恋人もいなかったとしても、いるかのような雰囲気を出しましょう!
「今度の休日は友人と遊びに行くから」、「その日は予定があるから」といった言葉を多用すれば、友人や恋人がいるかのように演出できます。
また、職場の人間関係が上手くいってなかったとしても、上司に気に入られていて人間関係が上手くいっていると思わせるといいでしょう。
いざとなったら味方がたくさんいる強者側だと思わせて、毒親を牽制しましょう。

連絡はマメにせず要求に応じない

毒親の多くは、子供を急かします。
なぜなら、毒親は自己中心性が高く、待たされることを嫌うからです。
つまり、毒親にとっては、子供は都合の良い便利屋なのです。
「すぐ返信しろ」、「すぐ要求に応じろ」と子供を急かし、増長します。
つまり、毒親に「都合が良い」、「便利だ」と思わせないことが大事なのです。
そのため、メッセージや電話による連絡があったら、すぐには返信せずに、時間をおいて返信しましょう。
また、何度かに一度は「連絡に気が付かなかった」としらばっくれて、連絡を無視するのも効果的です。
そうすることで、毒親に「コイツに頼むのは便利じゃない」と思わせることができます。
また、毒親から用事を頼まれるなどの要求があっても、できる限り断りましょう。
どうしてもやらなければいけない頼み事だったとしても、すぐにやらずに、一か月後など遅くにしましょう。
断る理由や遅くなる理由は、「忙しいから」が一番使いやすいでしょう。
毒親の便利屋にならないよう、毒親に対しては不真面目な人間として振る舞いましょう。

「会いたい」と言われても会わない

先にも述べた通り、毒親は対面のコミュニケーションによるコントロールが一番得意です。
自分にとって不利なメッセージによる連絡に対して、不満や不安を抱きます。
そのため、子供に対するコントロールを強めようと、自分に会うよう要求することが多いです。
また、子供を自分に会わせるというのは、自分の影響力や子供の忠誠心を試す意図もあります。
「会いたい要求」に応じてしまうと、毒親に自信を与えてしまうのです。
「年末は家族一緒に過ごすのが普通でしょ?」、「年に一度も会ってくれないのは冷たい」などと色々な言葉を使って会おうとしますが応じてはいけません。
断り文句としては、「仕事が忙しい」、「年末は友人や恋人と過ごす約束をしている」、「他の家族も会ってない」、「大人になったら会わないのが普通」、「子離れできてないんじゃない?」などがあるでしょう。
使いやすい断り文句を使ってみてください。

悩みや愚痴を言わない

毒親は、子供の悩みや愚痴を聞き出そうとする傾向があります。
相談に乗るフリをして、毒親は子供をコントロールしようとするのです。
毒親は相談に乗ることで、子供の状況を把握する、弱みを握る、アドバイスで都合の良いよう操る、後々「悩みや愚痴を聞いてやった」と言って恩を着せるといった、コントロール術を行います。
そのため、毒親には決して、悩みや愚痴を言ってはいけません。
相談以外についても、毒親が子供に対して親切そうな行動をとる時は、必ず下心があります。
毒親からの親切には、常に警戒しましょう。

恩着せワードはスルーする

毒親は恩着せコミュニケーションによって、子供に罪悪感を与えてコントロールすることが得意です。
「大人になるまで育ててやった」、「学費を払ってやった」などが典型的な恩着せワードです。
毒親とはいえ育ててもらったのは事実のため、恩着せワードに反論するのは難しいことです。
そのため、反論できないから要求に応じてしまうという人もいるでしょう。
そんな恩着せワードに対する対処法は、無視です。
子供を育てることは、親の義務です。そもそも、恩着せワードに反論する必要はないのです。
毒親が恩着せワードを発した場合、それに対して返答しないのが一番良いです。
何か返せば、それを足掛かりに、さらに言葉の攻撃を仕掛ける余地を与えてしまいます。
電話であれば「宅配が来たから」などと言って切ってしまえばいいし、メッセージであれば完全無視でいいでしょう。

一人暮らし直後の「すがりつき」に注意!

一人暮らしを始めると、毒親が「すがりつき」をすることがあります。
毒親は、子供が自分の手元から離れることでコントロールが効きにくくなることを察知し、不安や不信を抱きます。
そのため、自分のコントロール下に置き続けるために、それまで以上に理不尽で非常識な要求を聞かせようとすることがあるのです。
例えば、些細な用事のために、いちいち実家に呼びつけて、自身に対する忠誠心を試そうとします。
しかし、毒親のすがりつきは、継続的な行動ではなく、一時的なことが多いです。
子供以外のターゲットを見つける、あるいは、子供との距離感が変わったことに慣れることで、収まることが多いです。
一人暮らし直後は、自分自身も不安な気持ちが大きいでしょうが、毒親のすがりつきに屈しないようにしましょう。
すがりつき期を乗り越えることで、毒親対処に対する自信もつくことでしょう。

【最終手段】弁護士を通じて連絡をとる

今まで紹介したポイントを実践しても毒親の理不尽な要求や行動が止まらない場合は、毒親と直接連絡をとらず、弁護士経由で連絡をとるという手段があります。
連絡を弁護士経由にすることで、毒親は非常識な要求をすることが難しくなります。
また、弁護士という強い肩書を持った第三者を味方に付けることで、毒親を萎縮させる効果もあります。
費用がかかってしまう手段ですが、弁護士はクライアントの味方をするのが仕事であり、心強い存在です。
毒親問題に理解のある弁護士事務所に相談するのがいいでしょう。

まとめ

毒親と距離を置くポイントについて解説しました。
特に、遠方で一人暮らしして物理的に距離を取ることが重要です。
連絡も必ずメッセージに限定しましょう。
毒親に対しては優等生にならず、気の利かない面倒臭がり屋として振る舞うことを心掛けるといいでしょう。