陰謀論者の特徴・自己愛性人格障害

陰謀論とは、出来事や状況に対して、巨悪の組織の陰謀によるものだと考える思考のことです。
政府や大企業などを悪の組織と設定し、自分を含めた一般人が被害を受けているという内容のものが多いです。
一般的なデマがあり得そうな嘘であるのに対し、陰謀論は内容が大げさで荒唐無稽であるのが特徴です。
陰謀論者は、常識的な話が通じない頭のおかしい人だと思われていますが、本人は全く自覚していません。
陰謀論者は、自己愛性人格障害NPD自己愛性パーソナリティ障害)という病気の可能性が高いです。

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近年、TwitterなどのSNSの普及によって、陰謀論が拡散されることが社会問題となっています。
陰謀論を信じた人が、特定の個人や団体に対して誹謗中傷する、妨害活動をするといった被害が発生しているのです。
なぜ、常識的に考えておかしい内容の陰謀論を信じる人がいるのでしょうか?
陰謀論を信じる人の多くは、自己愛性人格障害という精神疾患だと考えられます。
自己愛性人格障害者は、被害妄想が強く、常にネガティブ思考であるため、陰謀論を好む傾向が強いのです。
陰謀論を周囲に語るのは、自己愛性人格障害のサインだと捉えていいでしょう。
自己愛性人格障害者が陰謀論に傾倒する原因は、被害妄想、思い込みの強さ、無知の3つです。
陰謀論を信じる原因を知れば、自己愛性人格障害の異常性・危険性についての理解も深まるでしょう。

【目次・陰謀論者の特徴】

それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。

被害妄想が強い

陰謀論というと、巨悪の組織が登場するのが定番ですよね。
しかし、陰謀論のストーリーには、もう一つ大事なポイントがあります。
それは、陰謀論者が、自身を被害者側に位置付けているということです。
陰謀論は必ず、「巨悪組織に自身の生命や財産が狙われている」という内容に帰結するのです。
つまり、陰謀論の実態は、壮大な被害妄想なのです。

自己愛性人格障害の症状の一つに、被害妄想があります。
例えば、物をなくすと「盗まれた」、自分の勘違いでミスをすると「騙された」といった考え方をします。
この症状が重くなると、身近な被害妄想に止まらず、陰謀論にまで発展するのです。
例えば、エレベーターが故障で停止すると「組織が不都合な人間を閉じ込めた」、水道の配管が詰まると「組織ぐるみで家に侵入して配管に物を詰めた」といった考え方をするようになります。
さらに症状が進むと、ネットにある陰謀論を積極的に収集し、信じ込むようになります。
何も起きていないのに、「政府が預金封鎖して自分の財産が奪われる」、「大企業が個人情報を悪用する」といった陰謀論を盲信するようになるのです。
このように、自己愛性人格障害特有の被害妄想が、陰謀論を生むのです。

自分が絶対正しいと考える

陰謀論者の特徴の一つは、人の意見を聞かないことです。
陰謀論者は、周囲の人から「常識的にそれはないよ」と言われても、盲信し続けます。
むしろ、陰謀論を信じない方がおかしい、頭が悪いという考え方をします。
陰謀論者のこの特徴も、自己愛性人格障害ならではのものなのです。

自己愛性人格障害者は、自己中心的かつ特別意識が強い性格をしています。
自分は他の人より賢く、情報をたくさん持っていると自負する傾向があります。
自分の考えは100%正しく、自分と違う考えは100%間違いというのが、自己愛性人格障害ワールドなのです。
つまり、自己愛性人格障害者は、陰謀論を信じていると同時に、「陰謀論を信じる自分」を信じているのです。
このように、自己愛性人格障害特有の自己盲信が、陰謀論者の本質なのです。

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知識や常識が足りない

陰謀論のもう一つの特徴は、常識的におかしく、整合性や合理性が欠けていることです。
例えば、政府や大企業などの巨悪組織が、市民の生命や財産を脅かすといった極端なストーリーが多いです。
なぜ、陰謀論者は、常識的に考えておかしい話を信じてしまうのでしょうか?

それは、自己愛性人格障害による、偏った無知が原因です。
自己愛性人格障害者は、世間知らずで無知、あるいは知識が偏っていることが多いです。
なぜなら、自己愛性人格障害者は、自分に都合の良い情報にしか目を向けない、頭に入らないという思考回路をしているからです。
例えば、大企業に勤めた経験のある人は、大企業に勤めているのは普通の人で、ドラマに出てくるような陰謀を企てる大企業はファンタジーだと知っています。
社会経験が乏しいからこそ、「大企業は巨悪」、「大企業は利益のためなら何でもする」などの非現実的な思い込みをすることができるのです。
このように、自己愛性人格障害特有の無知によって、陰謀論の矛盾に気づけないのです。

まとめ

自己愛性人格障害者が陰謀論を信じる原因について解説しました。
陰謀論を信じるのは、自己愛性人格障害の症状の一つと言えるでしょう。
陰謀論者は、自分が陰謀論を信じるだけでなく、人に押し付けようとします。
議論したところで納得することはないため、「興味ないから」と話しを切るのがいいでしょう。

あなたの周りに、陰謀論を信じている人はいませんか?
陰謀論を信じる自己愛性人格障害者は、元々、猜疑心の強い性格をしています。
些細な出来事がきっかけで、身近な人に対して被害妄想を膨らませる可能性が高いです。
陰謀論を語る人がいたら、距離を置いて関わらないようにするのがいいでしょう。