自己愛性人格障害の特徴 自己中心性・特別意識・共感力欠如

現在、虐待、DV、パワハラ・モラハラ、ストーカー、いじめ、ネットの誹謗中傷といった、他者の尊厳を踏みにじる行為が社会問題となっています。
これらの加害者には、自分より弱い相手を攻撃する、あるいは、コントロールしようとするという共通点があります。
そのため、これらの加害者は、自己愛性人格障害NPD自己愛性パーソナリティ障害)という病気の可能性が高いです。
自己愛性人格障害は、自分より格下の相手を見下し、自身の感情や損得によって、攻撃したり利用したりする精神病だからです。

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自己愛性人格障害(NPD:Narcissistic Personality Disorder)とは、「自分は特別である」という思い込みが強く、周囲に特別扱いや賞賛を求める精神疾患です。
しかし、それだけに止まらず、攻撃性や利己性、幼稚性を併せ持つことが多いです。
自己愛性人格障害は、平気で人を傷つけ、自分に従わせてコントロールしようとするモンスター人格なのです。
自己愛性人格障害の本質は、自己中心性特別意識共感力欠如の3つの特徴で表すことができます。
自己愛性人格障害者は増加していると考えられ、その特徴を理解し、自己防衛することが必要な時代となっています。

【目次・自己愛性人格障害の特徴】

それぞれの特徴について、解説していきたいと思います。

自己中心的である

自己愛性人格障害には、「自分の思い通りにならないと気が済まない」という幼稚な自己中心性があります。
自己愛性人格障害者は、自分の思い通りにならないと、癇癪を起したり、八つ当たりをしたり、逆恨みをしたりします。
例えば、落ち度や間違いを指摘されるとムキになって反撃し、逆に少し褒められると有頂天になるといった年齢に見合わない幼稚な態度をとります。
親や上司といった強い立場に立つと、人を支配しようとしたり攻撃したりするため、毒親やパワハラ上司になりやすい人格です。
また、自己愛性人格障害者の自己中心性は、人に対する強い執着心や復讐心へと発展することもよくあります。
そのため、ストーカーやリベンジャーになりやすく、エスカレートして相手に大きな危害を加えることもあります。

このように、自己愛性人格障害者は、自分本位にキレやすい危険性の高い人格なのです。

関連記事:「自己中心性とは?自己愛性人格障害の特徴」

特別意識を持つ

自己愛性人格障害には、「自分に特別意識を持つ」という特徴があります。
自己愛性人格障害者は、基本的に人を見下すことが多く、「格下は自分に従って当然だ」と考えています。
格下とみなした相手に対して強気で、一方的な要求を繰り返し、迷惑をかけても平然としています。
また、自分に従わない人を生意気だと認識し、いじめたり、待遇を悪くしたりします。
特別願望が強いため、経営者やクリエイティブ系の職業になりたがる傾向があります。

自己愛性人格障害者は、人を格上と格下に分け、格上には媚びへつらい、格下には横暴な態度をとります。
格下を見下す一方で、上司や肩書のある相手は格上とみなし、腰の低い弱気な態度をとるのです。
目上を尊敬しているからではなく、媚びを売ることで気に入られて得をしようという打算のためです。
自己愛性人格障害者にとっては、格上も格下も自分の得のために利用するものでしかありません。

このように、自己愛性人格障害者は、人を見下して利用しようとする利己的な人格なのです。

関連記事:「特別意識とは?自己愛性人格障害の特徴」

共感力が乏しい

自己愛性人格障害には、「人に対する共感力や思いやりに欠ける」という特徴があります。
自己愛性人格障害者は、共感力や思いやりの欠如から、人格否定や煽るような発言をするなど、無自覚に人を傷つける言動をとります。
人の気持ちが想像できないため、周囲の人から「空気が読めない」とか「天然だよね」と言われ、距離をとられるケースがよくありますが、自分に非があると認めず、周りが自分をいじめていると主張する傾向があります。
また、自己愛性人格障害者は、「自分が絶対に正しい」と考えるため、自分と異なる価値観や意見を全否定し、自分の考え方ややり方、気持ちを押し付けようとする一方的な性格をしています。
そのため、職場や家庭でモラハラの加害者となることが多いです。

このように、自己愛性人格者は、傷つけられる側の気持ちが想像できないため、加害者側になりやすい人格なのです。

関連記事:「共感力の欠如とは?自己愛性人格障害の特徴」

まとめ

自己愛性人格障害の3つ精神的特徴について解説しました。
自己中心性特別意識共感力欠如の特徴が揃っている人は、自己愛性人格障害である可能性が高いです。
これらの特徴から、自己愛性人格障害者は、パワハラやDV、ストーカー、虐待などの加害者となることが多いです。

あなたの周りに、自分の思い通りにならないと気が済まない人はいませんか?
あなたの周りに、特別扱いを求める人はいませんか?
あなたの周りに、人の気持ちを考えない無神経な人はいませんか?

傍にいるだけで人を不幸にする病気が存在します。
自己愛性人格障害は、れっきとした精神病です。
自己愛性人格障害者は、自身の悪質性の自覚がないため、考え方や行動が治ることはありません。
注意をしても、逆上したり、開き直ったりするだけで、反省することはありません。
程度がひどいと、常識的な話も通じません。
このような人とトラブルになった時は、自分一人で対処しようとせず、身近な人や警察・病院・NPOといった専門機関に相談することが大事です。