モンスターペイシェントとは?自己愛性人格障害の特徴

モンスターペイシェントとは、医療従事者に対して、理不尽なクレームや要求、暴力暴言などを行う患者やその家族のことです。
モンスターペイシェントは、医療機関に対する悪質クレーマーであり、ペイシェントハラスメント(ペイハラ)として、大きな問題となっています。
逆恨みを募らせたモンスターペイシェントが、医療従事者を殺傷するリベンジ事件(無差別巻き込み事件)も発生しており、危険性が増しているのです。
話の通じないモンスターペイシェントは、自己愛性人格障害NPD自己愛性パーソナリティ障害)という病気の可能性が高いです。

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ここ最近、モンスターペイシェントによる凶悪事件が増えています。
人がたくさんいるクリニックの入り口に放火して拡大自殺をする、医療従事者を猟銃で殺害するといったショッキングなリベンジ事件が連続して起きています。
目立つ事件でなくても、病院では日常的にモンスター患者による理不尽なクレームや暴力暴言にさらされています。
なぜモンスター患者には、常識的な話が通じないのでしょうか?
それは、モンスター患者の多くが、自己愛性人格障害という病気だからです。
自己愛性人格障害者は、自己中心的で、自分の思い通りにならないと癇癪を起こすのが特徴です。
また、執着心が強く根に持つ性質も特徴で、その場の癇癪だけで収まらず、被害者意識や被害妄想を募らせ、逆恨みする傾向もあります。
モンスター患者による主な被害は、クレーム、暴力暴言、リベンジ事件があげられます。
これらの行動は、自己愛性人格障害の特徴と大きな関係があるのです。

【目次・モンスター患者による被害】

それぞれの被害について、解説していきたいと思います。

理不尽なクレーム

モンスター患者は、クレーマー気質の人物が、病院やクリニックで理不尽なクレームをつけている状態です。
医療機関だけをターゲットにしている訳ではなく、一般の店舗や役所でもクレームをつけていることが多いです。
クレーマーの多くは、自己愛性人格障害と考えられます。
自己愛性人格障害者は、「全て自分が正しい」という思考回路をしています。
そのため、医療の素人にも関わらず、医療行為について勝手な持論をぶつけるのです。

自己愛性人格障害の一番の特徴は、異常な自己中心性です。
自己中心性から、相手が自分に従わないと気が済まない、気に食わないのです。
相手を服従させることに強い執着心を示し、長時間また頻繁にクレームを繰り返します。
また、自己愛性人格障害者は、極度のマイペースのため、待たされることを嫌います。
そのため、医療機関での待ち時間が少し長いだけで苛立ち、クレームをつけることがあります。

自己愛性人格障害者は、何においても自己中心的で、クレーマー気質なのです。

暴力暴言

モンスター患者の中には、クレームや要求だけでなく、暴力や暴言に訴えるケースも多いです。
暴力行為ともなれば、警察を呼んでもおかしくありませんが、件数の多さや手間がかかることから泣き寝入りする病院も少なくありません。
暴力暴言の原因は、怒りっぽい性格、短気な性格だと考えられがちですが、れっきとした精神病の症状なのです。

クレームから発展する暴力暴言は、自己愛性人格障害の症状と見ていいでしょう。
威圧や恫喝、暴力といった攻撃的な方法で相手を服従させようとするのは、自己愛性人格障害の典型的な特徴です。
自己愛性人格障害の症状に、共感力の欠如があります。
暴力暴言を受けた被害者の気持ちを想像できないため、罪悪感を持つことも、反省することもありません。
自己愛性人格障害者は、「申し訳ない」、「迷惑をかけてしまった」、「傷つけてしまった」、「かわいそう」、「家族が悲しむ」といった、人間として大事な感性を持たないのです。

自己愛性人格障害者は、思いやりや感謝の概念を持たないため、平気で暴力暴言を働くのです。

リベンジ事件

リベンジ事件とは、逆恨みした相手を報復のターゲットとして大きな危害を加える事件のことです。
モンスター患者が、医療従事者に逆恨みして殺傷する事件も起こっています。
それまで普通だった人が予兆なくリベンジ事件を起こすというのは稀であり、職場や地域、病院などでトラブルをよく起こす人物であることが多いです。
自分の思い通りならないと癇癪を起こす性質と、些細なことで相手に悪意があると疑い被害妄想を抱く性質を合わせ持つ自己愛性人格障害は、とてもリスクが高いのです。

モンスター患者によるリベンジ事件の動機としては、医療行為に対する不満もありますが、拡大自殺がしたかったという自暴自棄な面も見られます。
拡大自殺は、「一人で死ぬのが寂しいから、目立つ形で死にたいから他者を巻き込みたい」という発想であり、自己中心性の極みです。
このような異常な自己中心性は、重度の自己愛性人格障害でしか見られないと言っていいでしょう。
しかし、自己愛性人格障害という精神病だから責任能力がないという訳ではありません。
自己愛性人格障害は、自己中心性や被害妄想が異常というだけで、我を失う心神喪失ではないからです。

リベンジ事件は、特定の人物や組織をターゲットにするのではなく、無差別に危害を加えるケースも多く、日本社会の大きな課題と言えるでしょう。

まとめ

モンスター患者と自己愛性人格障害の関係について解説しました。
モンスター患者は、自己愛性人格障害の可能性が高いです。
モンスター患者は、本来なら心療内科にかかるべき人物なのです。
自己愛性人格障害者は逆上すると危険だという認識がもっと広がるべきでしょう。

あなたの周りに、モンスター患者はいませんか?
モンスター患者は、自己愛性人格障害者が医療従事者をターゲットとした状態です。
自己愛性人格障害者のターゲットは変わることもあり、誰でもターゲットになり得ます。
モンスタータイプの人と遭遇したら、ターゲットにならないように気をつけた方がいいでしょう。